六月のお寺『メダカのビオトープ』
本日はご来訪いただきまして、まことにありがとうございます。
今月の寺は特に行事がなく、お盆前の静かな月になります。そこで
またお花についてお話しします。先月(五月)には、拙寺のセッコク
に関するお問合せがいくつかありました。
今月は先月のお花のコーナーで紹介した『マルバストラム』の事を
いらした方に尋ねられます。珍しいようですね。マルバストラムは
別名を枝垂れ芙蓉(ふよう)というそうです。確かに花が芙蓉みたい
ですね。グランドカバーと言って、地面を覆い広がる草花です。
話は変わりますが、天水桶のメダカたちが少しずつ増えています。
ボウフラより小さい稚魚が、浮草の丸い葉の上や下で、じっとして
います。水中までよ~く見てみると、成魚より小さく、稚魚よりも
大きいメダカが水中を泳いでいるのも見えます。
桶の中で少しずつビオトープが出来上がってきているようです。
ご来訪の際にはぜひ、そっと覗いて見てみてくださいね。
七月のお寺『お塔婆書き』
7月に入ると、どこのお寺もお盆を迎え、忙しくなってまいります。
拙寺では8月16日に『施食会』の法要を執り行うので、その準備を
今月に行います。
ご先祖様の追善供養で檀家の皆様がお塔婆をお墓に立てられるので
そのお申し込みを受けて、お塔婆を書いていきます。お塔婆の形は
『お釈迦様のお骨を納めたところに建てた塔(ストゥーパ)』の形を
を映したもの。ストゥーパ ≒ そとば(卒塔婆)という音訳ですね。
一番上の丸部分が空、そこから順に、風・火・水となり、一番下の
長い部分が地を表します。古代インドで宇宙はこの5つの元素から
成り立っていると考えられていたそうです。身近(?)なお塔婆が
古代と繋がっていると考えると、ちょっと面白いですね。
六月のお花『アジサイ』
アジサイの花も今年は早く咲き始めました。毎年六月はアジサイを
ご紹介しているように思いますが、今年はアジサイの「花」部分に
スポットライトを当てたいと思います。
四枚の花びらで一つの花が成り立ち、その花がボール状に集まって
いるのがアジサイの様に見えますが、実はその花びらの蔭に本当の
花があるのです。
見逃してしまいそうな極小さい花ですが、よく見るとおしべがあり
花らしく見えますね。これを真花というそうです。ガクアジサイは
真花がよくわかります。
真ん中に真花が集まり、これらが咲くと小さい毛が生えたかの様に
なります。丸い蕾が集まっている姿も、とても愛らしいですね。
ぜひアジサイの近くに寄ってみて観察してみて下さい。
七月のお花『夏の白花』
白い花たちが花盛りを迎えています。ヤマユリが境内のあちこちで
咲いていますが、人の手が届きにくいところに咲いているようです。
緑がかっているミナヅキや同じ円錐型のノリウツギも今が盛り。
実は、今月取り上げたかったのはナンテンの花だったのですが…
長雨のせいで、きれいに咲いた写真を撮り損ねてしまいました。
今年は花が大きかったのか、はたまた花のつきがよかったのか、
ご来訪された方々から「ナンテンの花がよく咲いてますね」と
おっしゃって頂きました。
いずれの白花も夏本番の今、蝉の声がこだます境内で、一服の
清涼剤のような涼しさを感じさせてくれます。